孝三さんが宇宙ツアーを開始した。
20年以上弟子として、道場の講師として、一緒に様々なイベントを一緒に運営してきた。
一人のドラマーとして、やはりこの想いに尽きる。
「孝三さんを伝え紡ぎたい」
改めて孝三さんとの思い出を振り返ってたが、あまりにもエピソードが多すぎて何から書いていいのか分からない。
なので、新たにブログのカテゴリー「手数王のこと」を追加した。
思い出したら書いて行こうと思う。
湿っぽいのが苦手なのは、師弟揃って同じだ。
つじらしく、クスっと出来る様なエピソードを中心に書こうと思う。
孝三さんが参加したアルバムの紹介や、ちょっとしたエピソードなども書いて行こうと思う。
要するに「つじ」というファインダーから見た孝三さんだ。
孝三さんとの思い出を1人でも多くの方と共有出来れば幸いだ。
カメラのバッテリー事件
ある日の夜。孝三さんからLINEが来た。
「明日、音楽室でライブあるから入りから手伝いに来てー(原文ママ)」
※音楽室=高田馬場音楽室DX(以下、音楽室と表記)
いつも突然連絡が来るのが孝三流だ。こっちの事情はお構いなしなのだw
私は当時、在宅勤務をしている会社員であったが、平日の昼間に・・・。
師匠の言う事は絶対なので、何とか仕事をやり繰りして、音楽室へ。
孝三さんと合流して、機材搬入やらセッティングの補助を行う。
※脳内で孝三さんの声で読んでください。
「なぁー、これ見てー。新しいレンズ買ったんよー。ええやろ?」
「(セッティング中で忙しいのに・・・。)ええ?いいですね!それ高かったんじゃないですか?」
「はっはっは!!つじくんも絶大な経済力でレンズ買ったらええよ!」
必死にセッティングをしている横で、カメラがー。レンズがー。っと囁いくる。
出来る弟子は、良い感じに師匠の話を聞きながらも、作業を行うのだ。
セッティングも終わって、ちょっと休憩タイム。
孝三さんは終始リラックスした様子。
っというか、リラックスし過ぎ。
相変わらず、私にカメラ自慢をキラキラした目で話す。
何か嫌な予感がした・・・。
「孝三さん。今日のライブ、メンバー的にも難曲が多そうですけど大丈夫ですか?」
「ああぁ・・。そうだね、そろそろ譜面の用意しよか。」
そう言ってカバンから譜面が大量に入ったファイルを出した。
「これとー。これとー。そうそう、この曲。あっ!!!」
手数王は忘れ物王でもある訳で。どうせ譜面忘れてるだろうなーっと思ったが、予感的中。
「あかん。一番難しい曲の譜面書いてなかったわ!」
「え?忘れたんじゃなくて、書いてないんですか?!」
「しまったー。。今から書くわ。」
いつも想定の上を行くのが孝三流。ドラマーの皆さんも見習ってほしい。(見習わなくていいっつーの。)
こうなると立場は逆転(?)
必死に譜面を書く孝三さんの横で、私は余裕のコーヒータイムだ。
「ああぁ・・。ここどうなってるんだ・・・?あぁ。。こうか。。」
必死に譜面を書く手数王。見つめるつじ。
「んん??ああぁ・・・こうか。。ああぁ!違う!こうだ!」
さらに必死に譜面を書く手数王。見つめるつじ。
「ああぁ・・・リハに間に合うかな・・・つじくん!リハまであと何分?」
「1時間ないくらいですね」
「それだったら間に合うか・・・」
っと、余裕のコメントを言ったが、その目は必死。
さらに必死に譜面を書く手数王。見つめるつじ。
「ああぁ・・・!!!間違えた!!急げ急げ・・・!」
間違えた箇所を消そうとして、孝三さんが手にしたのは・・・。
カメラのバッテリー。
カメラのバッテリーを手にした孝三さんは、必死に間違えた箇所を消そうとする。
私は腹抱えて大爆笑!
「んんぅ?!なんで消えない?!」
消える訳がない。なぜなら手にしているのは。
カメラのバッテリー。
古来より、カメラのバッテリーは文字を消すものではなく、カメラを動かす道具である。文字を消すのは「消しゴム」なのだ。
「孝三さん!!それ、カメラのバッテリーですよww」
「消しゴムちゃうやんけ!」
「バッテリーじゃ一生消せませんよw」
「分かってるわ!!」
まさか自慢していたカメラのバッテリーに邪魔されるとは!
その後、譜面を書き終え、無事にリハ・本番を終えた。
やるべき仕事はキッチリ行う。それが孝三流。
しかし、その裏では数々の事件が起きている事を忘れてはならない。