【続】師匠、菅沼孝三さんの事。

ご機嫌如何でしょうか。
つじです。

前回の記事の続きになります。
(前回の記事→師匠、菅沼孝三さんの事。

【進路を決めたのは師匠の後ろ姿】
私は短大を卒業後4カ月程、就職をせずにぼんやりとこれからどうしようかと考えていました。
【プロドラマーになりたい】
そう考える事もありました。しかし、私は就職する事に決めました。
ここの話をすると脱線してしまうので、あまり長くは書きません。

ドラムを始めた高校生の頃から、【目の前にいるお客様の笑顔を見たい。】
それが未だにドラムを続ける原動力です。
ちょっと綺麗事に聞こえるかもしれませんが、嘘偽りの無い想いです。
そして、それを貫こうと思ったのは師匠である孝三さんの存在です。

ドラム道場のイベント、ドラムセミナー、ライブ。どんな時でも全力でプレイをして、
何よりも孝三さん自身が体中からドラムを楽しんで、音楽を愛している姿に心が震えました。

多くのお客様に見てもらいたい。そう思うなら、別の選択肢もあったと思います。
でも、本質的な部分は数の大小ではない。メディアに取り上げられる事でも無い。
私はどんなに少なくても演奏を待っている人の為に全力で演奏したい。
孝三さんの後ろ姿を見て感じたからこそ、就職してもドラムでお客様を笑顔にしたい。
そういう選択をしても、自分が目指す音楽を追求する事が出来る。それを証明したかった。

【師匠の力】
就職後、しばらくしてドラム道場千葉校を立ち上げる事になった。
まさか孝三さんと一緒に仕事をする様になるとは、夢にも思っていなかった。
仕事とドラム道場の両立。果たしてそんな事が可能なのだろうか。
道場を開校して間もない頃、孝三さんにその思いをぶつけました。
「大丈夫。ちゃんと出来るよ。」
正直言って、なんでそう思えるんだろうか。とも思いました。
でも、不思議なんです。孝三さんにそう言われると出来そうな気がしてくるのです。
その後も千葉校のイベントを行うと孝三さんは快く出演してくれます。
そして、全力のドラムプレイ。千葉校の生徒皆さんの事も気にかけてくれます。
全国にたくさんの生徒を抱えているにも関わらず、一人一人を大切に思ってくれる孝三さん。

私のリーダーバンド「CrossRoad」が孝三さんと初めてライブをする時にも感じました。

私以外のメンバーは当然孝三さんに会った事もないですし、日本を代表するドラマーとあっては緊張するのは想像に難しくありません。
しかし、孝三さんはそんな僕のバンドメンバーに対しても、温かく接してくれました。
緊張してるメンバーに対して、柔和な対応でほぐしてくれます。
そして、一人一人の話にちゃんと耳を傾けてくれます。
その姿は失礼ではありますが、トップミュージシャンと言うより優しいお父さん。
そう感じずにはいられないです。

楽屋では本番前にも関わらず、お腹が痛くなるほどの笑える話。
メンバーもそんな孝三さんの人柄に惹かれていきました。
「大丈夫。ちゃんと出来るよ。」
この一言をもらえるだけで、何故がメンバーもいつも以上の最高のプレイをしてくれます。
孝三さんの持つ力なんだと思います。

【師匠と仕事をして思う事】
孝三さんといろいろなイベントやライブでご一緒させて頂く事があります。
その時に孝三さんからいつも感じるのは、【人を大事にする事】

詳細は割愛しますが、以前こんな事がありました。
某イベントでドラム回しコーナーがあったのですが、イベント自体は押し気味。
ドラム回しコーナーの参加者を削れば予定通りの進行となる。
そんな時、孝三さんは。
「この日の為に練習してきた人が悲しむ。押してもいいからやろう!」
現場での即決。決められた通りに運営する事も大事。
でも、私はこの一言を聞いて痺れました。
私も可能な限り時間短縮出来る方法を考え、実行しました。
そしてイベントは大盛り上がりの中、終了。
孝三さんの人を大事にする気持ちが、和になっていく事を感じました。

孝三さんと出会って、私の音楽活動が豊かになって大切な音楽仲間が増えました。
そして、応援してくださる方も。
出会いを大事にする事を、言葉で言うでもなく行動で教えてくれたのが孝三さんだった。
だから孝三さんの周りはいつも笑顔で一杯なんだと感じます。

【最後に】
私にとって孝三さんは確かにドラムの先生です。
でも15年以上という時間の中で、それ以上のモノを教えてくれました。
尊敬の気持ちを込めて「師匠」と私は思っています。

私が運転する車で一緒に移動している時も、後部座席から声を掛けてくれる。
カメラ談義に花を咲かせてくれる。
悩みにも一緒に考えてくれる。
どんな時でも、私にとっては大切な師匠なのです。

大嫌いだった孝三さんに衝撃を受けた高校2年の、あの日。
心臓が口から出る程に緊張した初レッスンの、あの日。
発表会に初めて参加した時、ナイスプレイだったと声を掛けてくれた、あの日。
ライブが終わった後、雑談で大笑いした、あの日。
一緒にドラムを叩き、ドラムバトルをしている、あの時間。

その全てが私にとって最高の財産であり、幸せなドラマーライフを過ごせるのは、孝三さんの存在があるからだと確信しています。

私は孝三さんになる必要なんてありません。
孝三さんから学んだ事、感じた事。それを実践していく事が弟子として大事な事だと思っています。
自分のバンド、つじセッション、サポートで参加する現場、道場のレッスン。
その全てで、学んだ事を失敗しつつも実践する事が師匠への恩返しと思っていますし、それが長い時間をかけて、辻和也というドラマーとしての存在が形成されていくと考えています。
優劣を決める必要なんてない、名誉や栄誉をもらえなくても、全力で演奏をする。
演奏を楽しみにしてくれるお客様の為、大切な仲間の為、ドラムを叩く。
シンプルでいて、継続する事の素晴らしさ、難しさ。
孝三さんと出会えた事。私は生涯誇りにしたいと思う。

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